Museum of Mom's Art ニッポン国おかんアート村
「Museum of Mom's Art ニッポン国おかんアート村」は作家・編集者・写真家である都築響一とおかんアートをこよなく愛する下町レトロに首っ丈の会をゲストキュレーターに迎え、2000年代初頭から「おかんアート」と呼ばれて密かに注目されてきた、「母」たちのつくる手芸作品の数々、1,000点以上を紹介する展覧会です。
これまでに都築響一が追い続けてきた「おかんアート」は、商店街の店先、公民館や道の駅など全国各地に点在しています。各地域の作り手による「おかんアート」は個々に素材やスタイルの工夫や違いはあるものの、どこか共通点も多いことが特徴と言えそうです。本展では、都築響一のユーモアのある視点から「おかんアート」を再考してご紹介します。さらに、「おかん宇宙のはぐれ星」と題した都築響一特選の3名の作家による特別展示も行います。
さまざまな角度から「おかんアート」の魅力に触れることで、専門的な美術教育とはかかわらない作り手による創作の場や時間のあり方、その表現や魅力に迫ります。あなたの街や家の中にも、もしかしたら素敵な逸品が眠っているかもしれません。
タイトル | Museum of Mom's Art ニッポン国おかんアート村 |
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会期 | 2022年1月22日(土)~ 4月10日(日) |
開館時間 | 11時~19時 |
閉館日 | 月曜日(ただし3月21日は開館)、3月22日(火) |
会場 | 東京都渋谷公園通りギャラリー 展示室 1、2及び交流スペース |
入場料 | 無料 |
キュレーター | 都築響一+下町レトロに首っ丈の会 ※特別展示「おかん宇宙のはぐれ星」は、都築響一のキュレーションとなります。 |
出展作家 | 伊藤由紀、奥眞知子、尾本節子、木越貞子、久保山みどり、系谷美千代、香坂司登美、
後藤知恵子、佐藤イヱ、高桒義一、新居光子、西村みどり、藤井孝子、藤岡純子、松田多瑞子、
森敏子、山田二三江 他、各地の皆さま |
会場構成 | 山下香(状況設計室/下町レトロに首っ丈の会) |
主催 | (公財)東京都歴史文化財団 東京都現代美術館 東京都渋谷公園通りギャラリー |
来場記念グッズ |
【来場記念グッズ「おかんアートステッカー」】
ご来場いただいた皆様に、来場記念として「おかんアートステッカー」をプレゼントしております。(3月5日15:00開始) ステッカーは全部で12種類。日替わりで4種のなかから2枚お選びいただけます。 ※無くなり次第終了 |
その他 | イベント開催時のチェックリスト |
キュレーターインタビュー
(都築響一) キュレーターインタビュー
(山下香) 学芸員エッセイ
(大内郁) 学芸員エッセイ
(河原功也)
キュレーターステイトメント
おかんの辞書に断捨離はない。荷物のヒモは丸めて引き出しにしまっておく。輪ゴムは水道の蛇口にかけておく。デパートの紙袋は冷蔵庫の脇に差しておく。とりあえず。そしてある日、おかんにひらめきの瞬間が訪れる——アレをああやったら、かわいいのできるやん!こうしておかんアートは生まれた(たぶん)。
おかんアートとは、文字どおり「おかんがつくるアート」のこと。メインストリームのファインアートから離れた「極北」で息づくのがアール・ブリュット/アウトサイダー・アートだとすれば、正反対の「極南」で優しく育まれているアートフォーム、それがおかんアートだ。見るひとを困惑させ、おしゃれ空間を一発で破壊し、勢いと熱さだけはあふれるほどあり、プロのアート作品にはもちろん、いまや「インサイダー」になりつつあるアウトサイダー・アートやアール・ブリュットにすら存在しない、おかん独自の破壊力。単一の価値観に収まりきらないことが現代美術の特質であるならば、おかんアートはもっとも無害に見えて、もっとも危険なアートフォームなのかもしれない。
都築響一
展覧会「Museum of Mom's Art ニッポン国おかんアート村」会場風景
《PPバンド犬》 作者不詳 撮影:都築響一
《あみぐるみ》 作者不詳 撮影:都築響一
《キューピーの服》 作者不詳 撮影:都築響一
《さるぼぼ(置物)》 香坂司登美 撮影:都築響一
《折り紙手芸》 藤井孝子 撮影:都築響一
《毛糸犬》 後藤知恵子 撮影:都築響一
《軍手人形》 香坂司登美、奥眞知子 撮影:都築響一
《タオル犬》 香坂司登美 撮影:都築響一
本展キュレーターの都築響一が近年注目する、おかんアートの感覚にかぎりなく近くありながら、独自の表現を展開する孤高の表現者3名を特別展示にて紹介します。
1934年生まれ。名画座・早稲田松竹の館内清掃に長年従事しながら、劇場入口やトイレの棚を飾るオブジェを自発的につくってきた。総菜用の食品トレー、刺身についてくるプラスチックの笹、 牛乳パック、お菓子のオマケ……日常的な廃材だけを使って組み上げられた、それはなんとも楽しいミニ・ジオラマだった。
1943年生まれ。高校時代に独学で切り絵を始める。広告制作会社などを経てフリーで版下の作成に従事。50代になって仕事を引退し、切り絵、貼り絵、コラージュに専念するように。それらの作品と、コロナ禍の家ごもり期間につくった新聞紙バッグを2021年10月に世田谷美術館分館で展示。SNSで話題を集めた。
1972年生まれ。大阪にある西淡路希望の家・美術部所属。イラストや刺繍にくわえて、広告チラシを折ってつくる「チラシ箱」を日々大量に生み出している。あまりに実用的すぎて長く作品として認知されてこなかったが、畳んだ紙束のカラフルな美しさに魅せられた施設職員によって収集・保存され世に出ることになった。
随時お知らせいたします。
《ロールちゃん人形》 新居光子 撮影:都築響一
《松かさ飾り》 西村みどり 撮影:都築響一
《ロープ犬》 作者不詳 撮影:都築響一
《ロープ海老》 作者不詳 撮影:都築響一
《ビーズ孔雀》 香坂司登美 撮影:都築響一
《軍手人形》 作者不詳 撮影:都築響一
《キューピーの服》 香坂司登美、作者不詳 撮影:都築響一
《ソープバスケット》 山田二三江 撮影:都築響一
詳細は各イベントページにて随時お知らせいたします。
「Museum of Mom's Art ニッポン国おかんアート村」関連イベント
本展ゲストキュレーターである都築響一と下町レトロに首っ丈の会・山下香がおかんアートについて語ります。
「Museum of Mom's Art ニッポン国おかんアート村」関連イベント
「Museum of Mom’s Art ニッポン国おかんアート村」では会期中限定で、「#おかんアート村」とハッシュタグをつけたSNS(Twitter、Instagram)投稿を広く呼びかけ、皆さまの身近にあるおかんアートの数々が当ギャラリーウェブサイト上で一堂に会する「おかんアート村 クラウド・ミュージアム」を特別開設します。おかんアートの写真から制作中の動画まで、全国津々浦々のおかんアートがさまざまなかたちで大集結するかもしれません。あなたの知っているおかんアートについても、この機会にぜひご紹介ください。
「Museum of Mom's Art ニッポン国おかんアート村」関連イベント
ゲストキュレーターである都築響一によるギャラリートークを聞きながら、展覧会会場を巡ります。
※定員:各回20名(事前申込制、先着順)
※手話通訳付き(3/19開催回のみ)
「Museum of Mom's Art ニッポン国おかんアート村」関連イベント
2022年3月28日、展覧会「Museum of Mom's Art ニッポン国おかんアート村」出展作家の尾本節子さん、藤岡純子さん、西村みどりさん、新居光子さん、山田二三江さん5名と、ゲストキュレーターである下町レトロに首っ丈の会の山下香さんが来館された際の記録映像です。