アール・ブリュット ゼン&ナウ Vol.2
Echo こだま返る風景
展覧会概要
「アール・ブリュット ゼン&ナウ」は、国内外のアール・ブリュットの動向において、長く活躍を続ける作家と、近年発表の場を広げつつある作家を、さまざまな角度から紹介する展覧会シリーズです。
2回目にあたる「Echo こだま返る風景」では、建物や家が立ちならぶ街の風景を、独自のまなざしで再構築する作家たちを紹介します。それらの風景は、上空から俯瞰するような構図や天地のない描き方、奇抜な色彩の建物群など、それぞれにユニークな表象がみられます。それらはどれも幻想的な世界観をあわせもち、ここではないどこかを思い描く作者の視線をたどることができます。また、広大に伸びていく遠景と身近にある近景が交錯し、どこまでもつづいていきそうなエネルギーが感じられるでしょう。
作家それぞれがまなざしてきた風景は、現実と想像の、近景と遠景の、自己と他者の、こちらとあちらとのあいだを反響し合うこだまのように、人知れず広がりつづけています。本展が、鑑賞者それぞれとこだまし、ときに騒めき、ときに静かに共鳴する特別な風景との出会いとなれば幸いです。
やさしい日本語じょうほう2,265KB
アール・ブリュット ゼン&ナウ Vol.2「Echo こだま返る風景」 会場風景(記録動画)
展覧会名 | アール・ブリュット ゼン&ナウ Vol.2 Echo こだま返る風景 |
会期 | 2023年1月21日(土)~4月9日(日)
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開館時間 | 11時~19時 |
休館日 | 月曜日 |
会場 | 東京都渋谷公園通りギャラリー 展示室 1、2 |
入場料 | 無料 |
出展作家 | 磯野貴之、古久保憲満、後藤拓也、佐藤慶吾、辻勇二、横溝さやか |
宣伝美術 | 矢野恵司 |
主催 | (公財)東京都歴史文化財団 東京都現代美術館 東京都渋谷公園通りギャラリー |
注意事項 | 会場では、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、下記についてのご理解ご協力をお願いいたします。
・マスクの着用、手洗いや手指消毒に御協力ください。
・風邪症状がある方、検温により37.5℃以上の方のご入館はお断りいたします。
・室内が混雑している場合は、入室をお待ちいただくことがあります。
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その他 | イベント開催時のチェックリスト |
本展のみどころ
辻勇二《心でのぞいた僕の街》2019年 作家蔵
提供:障害福祉サービス事業所 明日香
1.様々な視点によって表現された街の風景を展覧
上空から俯瞰するような構図や天地のない描き方、奇抜な色彩の建物群。本展で紹介する作家たちは、かれら自身が実際に見た景色やその記憶の断片から、または雑誌やテレビ、インターネットから選びとった画像を組み合わせ、それぞれにユニークな表象をつくり出します。
街の風景という馴染み深いモチーフを6名の作家の異なる表現方法によって、比較しながらご鑑賞いただけます。
展覧会「アール・ブリュット ゼン&ナウ Vol.2『Echo こだま返る風景』」会場風景
撮影:佐藤 基
2.ドローイングブックを一枚一枚記録した映像の上映
磯野貴之は、延べ4万2千本の電柱とそれらを一つにつなぐ無数の電線が描きこんだドローイングブック。古久保憲満は、記憶やインターネット上に氾濫するイメージを再編成し、密度のある描きこみを繰り返すドローイングブックを展示します。
かれらの作品は作品の特性上、開いてみることができませんが、全ページを記録した映像の上映を行い、映像を通してどのような景色が広がっているのか、をお見せします。
展覧会「アール・ブリュット ゼン&ナウ Vol.2『Echo こだま返る風景』」会場風景
撮影:佐藤 基
3.渋谷の街並みを感じながらの作品鑑賞
本展は外光の入る展示構成を組んでいます。
外に見える街並みや喧騒、匂いや空気感など、展示室と外の世界のつながりを感じながらご鑑賞いただくことができます。帰り道の景色が違って見えるかもしれません。
「Echo こだま返る風景」資料スペース 会場風景
撮影:佐藤 基
4.資料スペースでアール・ブリュットに関する知識を深める
会期中、ギャラリー内の交流スペースがアール・ブリュットに関連する資料スペースとして開放されます。
資料スペースでは、出展作家達の制作や展示をサポートする施設の紹介パネルを通して制作の背景を知ることができるほか、「アール・ブリュット」に関連する書籍を閲覧することができます。
作家紹介
磯野貴之《でんちゅうでんせん》
2012-2013年 作家蔵
撮影・提供:特定非営利活動法人障害者アート支援工房COCOPELLI
磯野貴之(ISONO Takayuki)1997–
富山県生まれ。分厚く重量感のあるドローイングブックには、延べ4万2千本の電柱とそれらを一つにつなぐ無数の電線が描きこまれている。軽やかな描線と余白の対比によって静謐な世界が広がっている。主な展示に、「日本のアール・ブリュットKOMOREBI展」(フランス国立現代芸術センター リュー・ユニック[フランス、ナント]、2017年)などがある。
古久保憲満《無題》
2001-2007年頃 作家蔵
撮影:大西暢夫 提供:ボーダレス・アートミュージアムNO-MA
古久保憲満(KOKUBO Norimitsu)1995–
滋賀県生まれ。小学生の頃より、近未来を思わせる都市風景を緻密に描きつづけている。記憶やインターネット上に氾濫するイメージを再編成し、密度のある描きこみを繰り返す。そこには、作者が構築した唯一無二の世界がある。「人間の才能 生みだすことと生きること」(滋賀県立美術館[滋賀]、2022年)のほか、国内外の美術館での展示歴と収蔵作品がある。
後藤拓也《いえ》
2013-2021年 風舎とみたか蔵
撮影・提供:風舎とみたか
後藤拓也(GOTO Takuya)1987–
宮崎県生まれ。日向市にある「風舎とみたか」にて制作を行う。2013年頃から家を模したカラフルな立体作品を制作している。骨格から外壁、屋根にいたるまで紙を独自の技法で組み上げ、有機的でしなやかな建築物をつくり出す。主な展示に、「宮崎アーティストファイル『ギフト展』」(高鍋町美術館[宮崎]、2021年)などがある。
佐藤慶吾《ホテル》
1998-2005年頃 NPO法人グループ彩 生活工房蔵
撮影・提供:NPO法人グループ彩 生活工房
佐藤慶吾(SATO Keigo)1983–
千葉県生まれ。成田市にある「生活工房」にて制作を行う。カラーペンを使い、一視点の構図によって、細長い建物群を反復して描いている。単色やモザイク、グリッドといったさまざまな描き方を駆使し、ここではない遠く離れた場所を思わせる幻想的な眺めを生みだしている。主な展示に、「いえとまちのかたち」展(もうひとつの美術館[栃木]、2014年)などがある。
辻勇二《心でのぞいた僕の街》
2019年 作家蔵
提供:障害福祉サービス事業所 明日香
辻勇二(TSUJI Yuji)1977–
愛知県生まれ。どこか既視感のある架空の街なみを黒い水性ペンのみで緻密に描く。上空から俯瞰する構図と迷いのない筆跡によって、屋根瓦や道路、線路などが立体的に浮き立つ。その景色は、独特なゆらぎと躍動感に満ちている。出展歴として、「アール・ブリュット ジャポネ展」(アル・サン・ピエール[フランス、パリ]、2010-11年)など国内外で多数ある。
横溝さやか《SHIBUYA2020》
2017年 嬉々‼CREATIVE蔵
提供:嬉々‼CREATIVE
横溝さやか(YOKOMIZO Sayaka)1986–
神奈川県生まれ。平塚市にある「嬉々!!CREATIVE」に所属している。人間や動物、キャラクターといったさまざまな登場人物が街中に闊歩する祝祭的で賑やかな風景を描く。創作した絵と物語をいくつもの声色によって演じる紙芝居の公演も行う。主な展示に、「ここから2-障害・感覚・共生を考える8日間」(国立新美術館[東京]、2018年)などがある。
※画像は出展作とは異なる場合があります。
関連イベント
詳細は各イベントページにて随時お知らせいたします。
「Echo こだま返る風景」展 関連イベント
横溝さやかの紙芝居公演「ピ・ヨンジュとオレ三世の中華料理大対決2」
- 開催日
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2023年1月21日 (土)
- 会場
- 東京都渋谷公園通りギャラリー
- 入場料
- 無料
「アール・ブリュット ゼン&ナウ Vol.2『Echo こだま返る風景』」開催初日の1月21日に、出展作家の一人、横溝さやかによる紙芝居公演を開催しました。
詳細を見る
「Echo こだま返る風景」展 (2023年1月21日~4月9日)
資料スペース(2023年1月21日~4月9日)
- 開催日
- 2023年1月21日 (土) ~ 2023年4月9日 (日)
- 会場
- 東京都渋谷公園通りギャラリー 交流スペース
- 入場料
- 無料
アール・ブリュット ゼン&ナウ Vol.2「Echo こだま返る風景」の会期中、交流スペースはアール・ブリュットに関連する資料スペースとなります。
「Echo こだま返る風景」の出展作家に関係する施設を紹介するパネル展示に加え、アール・ブリュットの関連書籍の閲覧スペースとして開放いたします。
詳細を見る
「Echo こだま返る風景」展 関連イベント
学芸員によるギャラリートーク ※3月11日開催回は手話通訳付き
- 開催日
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2023年2月11日 (土)
、3月11日 (土)
- 会場
- 東京都渋谷公園通りギャラリー
- 入場料
- 無料
当ギャラリーの学芸員が作品解説を行います。3月11日(土)開催回には手話通訳が付きます。
詳細を見る
過去の展覧会情報