「アンフレームド  創造は無限を羽ばたいてゆく」関連イベント     視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ 開催報告

アール・ブリュット2021特別展 アンフレームド  創造は無限を羽ばたいてゆく

ワークショップ概要
実施日:2021年8月16日(月)18:30~20:30
会 場:オンライン開催(Zoom)
参加費:無料
参加者:8名(参加者内訳:見える方6名、、聞こえない方2名)

オブザーバー:1名(見えない方)
ナビゲーター:2名(内訳:見える方1名、見えない方1名)
情報保障:手話通訳付き
主 催:東京都、東京都渋谷公園通りギャラリー
イベント運営協力:視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ

 

ワークショップについて
「視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ」は、目の見える人、見えない人、様々な属性の人が作品の周りに集まり、見えること、見えないことを言葉にしながら 鑑賞するプログラムです。様々な視点や経験を持ち寄って「みること」について考えます。
 昨年のアール・ブリュット2020特別展に引き続き、参加者は Zoom を使用し、オンライン上で作品を鑑賞しました。展覧会で 実際に展示されている作品を、事前に撮影した作品写真やリアルタイムで撮影する動画を見ながら、参加者同士の会話により進む鑑賞ワークショップを行いました。
 
 今回は香川定之《チチヤス D51 中方 箱電》と齋藤勝利《無題》の 2 作品を鑑賞しました。
事前の作品情報の説明なしで対話を始めました。参加者は8名で、様々な見え方や聞こえ方の方々の鑑賞と対話を通して、参加者それぞれの価値観や感性、作品の見え方を共有することが出来ました。
下記は参加者の対話の中から一部抜粋したものです。

鑑賞作品 1作品目:
香川定之 《チチヤス D51 中方 箱電》(2010年-2011年)

ナビゲーターA(見えない方):
この作品について、「見えること」でなにかありますか?
参加者A(見える方):
画面を見たときに高速道路を上から俯瞰的に見ているような、地図のような印象がありました。
ナビゲーターA(見えない方):
それは、四枚とも共通しているところですか?
参加者A(見える方):
そうですね。何枚かが高速道路というよりは色々な道路が交差していて、1つは、住宅地図をカラフルなイラストにしたようなアートに見えました。
ナビゲーターA(見えない方):
ありがとうございました。他の方はいかがですか?
参加者B(聞こえない方):
先ほど、Aさんが仰ったとおり、地図アプリのように上から見ているような感じで、神様が上から見ているような、頭の後ろから見られている感じ。自分の目線ではなくて、さらに自分の後ろにいる誰かが、見ている印象から神様という感じがしました。
ナビゲーターA(見えない方):
なるほど、他の方どう思いますか?
参加者C(見える方):
Bさんが神様とおっしゃっていたんですけれど、鳥が飛んでいる時に、下を見た時の街並みというか。そういうことなのかなと思いました。

ナビゲーターA(見えない方):
そこには、人がいるっていうわけでもなく、図という印象ですか?それとも「これは絵だな」という印象ですか?全体的に図面として描かれているのか、これは絵だなっていう、もっと遊びがあるような印象ですか?
参加者D(見える方):
「図面みたいなのか、絵みたいなのか」という話なんですが、私が最初この作品を見たときにすごく不思議な感じだなと思ったのは、それが原因かなと思いました。
この作品は、細かい図面のように描かれていて、真っすぐに線が引かれていたりとか、定規を使って描いたのかな?と思うような線が引かれているんです。でも、色はとてもカラフルですが、家はこの色、家じゃない部分はこの色とは決まっていないのでアートのように見える部分もあるんです。
例えば、この作品は、カラフルに色々な部分に色が塗られているので1つの絵として見えるのですが、もしモノクロで見たら、とても正確に描かれた広い範囲から見た図面にも見えるのではないかと思います。
ナビゲーターA(見えない方):
おもしろいですね。
ナビゲーターB(見える方):
Dさんが真っすぐ描かれているって言っていたのは、部屋とかですかね?
参加者D(見える方):
そうですね、部屋とか高速道路とか言われていた場所です。私は高速道路っていうよりも、電車が通る線路のように見えたんですが、そういうところもすごく真っすぐ線が引かれているので、定規で描かれている感じがします。
オブザーバー(見えない方):
高速道路ってなんだろう?
参加者E(見える方):
さっき、どこかに「鉄道」って書いてあるところがありましたよ。この絵じゃないかもしれない・・?何か書いてありません?「鉄橋」って書いてあります?
参加者D(見える方):
踏切みたいなのもありましたよね?


(上の画像のように作品の一部分をズームして)
ナビゲーターB(見える方):
これですか?
参加者E(見える方):
「フミキリ」って書いてあります。
参加者D(見える方):
そこが踏切っぽく見えて、砂利みたいな絵が描かれていますよね。
ナビゲーターB(見える方):
枕木も真っすぐな線でしましま状に描かれていますね。
参加者B(聞こえない方):
作家さんが、いつ作品を作ったかは分からないですが、若い時にもし描いていたら、RPGの世界を作るアプリがあるんですが、それを作ったことがある人だとしたら、RPGの世界を体験しているような印象も受けます。

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