山羊は手紙を待ちながら、待たれながら。

「とどく」田中義樹

「世界で一番熱い夏」

みなさん夏はいかがお過ごしでしたでしょうか?
おそらくだけど今年の夏が自分の夏休み史上一番忙しかったと思います。
7月終わりから8月の今日までずっと動いてたような感じがします。
まず越後妻有で開催されている大地の芸術祭に作品を作りました!その準備がそれはそれは大変でした。Art Center OngoingからのチームOngoing Collectiveの一員として出たのですが、自分が大きめの作品を作って会場を埋める役割でもあったのでそこそこ長い間新潟に滞在していました。
会場は三省ハウスという廃校になった小学校をリノベーションしたゲストハウスにそのまま残っている体育館が展示会場でした。(広い体育館を埋めるのは超大変!)もちろんクーラーもない環境です。油断すれば熱中症になれる暑さでした。しかも設営を手伝ってくれるインストーラーの友達はコロナに罹って来られなくなる。自分が2倍動く必要が出てくる。

7月は10日間くらい設営して、しかも仕事で描いている原稿の締め切りが重なっていたので設営しながら体育館で原稿を仕上げることに。70回くらい作品も原稿も間に合わないと諦めかけましたが、なんとかなりました。
作品内容は体育館のステージにインスタレーションを作ってそこで決まった日にはコントライブをするというもの。8月11日から5日間やったのですが、大体20分から長いと25分くらいの公演を毎日1日6回くらいやりました。体育館はもちろん超暑いのに衣装はスーツで、一回ごとにシャワーを浴びたくらいには汗が出る。熱中症になる可能性が高いので1日8リットルくらい水を飲んで、塩をなめ、龍角散の粉をかっ込む。公演の合間にも締め切りの原稿描く仕事をする。みたいなルーティンの後、東京に帰ってからも何故かやることが多くてきつい。みたいな夏。
そして10月からはついに「とどく」の成果展なので9月はまたも作品を作り続けることになるでしょう。(大地の芸術祭の9月の公演もまだあります)
高校生の時に夢みた作家活動のみで忙しい状態になっているのですが、夢見心地でフラフラしてます。

大変だった夏の報告がやたら長くなりましたが、手紙の進行状況を書きます。新潟にいる間に6通くらいの手紙が来ました。やっぱり夏休みでちょっと時間があるのか手紙が結構来ました。小中学生の夏休みってなんだかんだ暇になりがちですよね。自分は昔ゲームをやるかテレビを見てるかしかやることありませんでした。
一人の子からハガキで暑中見舞いが届きました。学校の夏休みの宿題で、誰かに暑中見舞いを書いて返事をもらうというものがあるらしいです。その子の宿題に間に合わせるために返事を書きました。
今でも自由研究とか自由工作とかの宿題があるんでしょうね。小学生の時の宿題はできるだけ早く終わらせるタイプでした。自由工作もなるべく早く作っていましたが、大人になった今やっている仕事になった自由工作は締め切りを過ぎてばかりです。
ほんの少しだけですが、子供たちからの手紙の距離感が近くなった気がします。小学校の時に仲良くなった友達がこんな喋り方をしていたような気がするなという文体に嬉しくなったりしました。手紙を書くのは楽ではないですが、終わるのも寂しい気がしました。

そういえば今回「とどく」の成果展でもコントの公演をするので、舞台道具として使うものを注文して買ったのですが、それが思いの外よくてテンションが上がりました。
10月の展示お楽しみに。
(大地の芸術祭の作品の写真を一枚載せておきます)

【文・画像提供:田中義樹 2022年8月29日】

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