2022年1月7日の日記から
全然手紙を出せてないけど、展示準備もやばくって、お茶を濁すかのように年賀状を全員に送った。
2022年2月24日の日記から
身支度をしながら、
このまま、やりとりができていない人にもこの調子で一方的に手紙を送り続けてもいいのかな。
と考えていた。
①
いっか。
応答のない星に信号を送り続けるみたいに、通信しつづければいいんだ。
②
だけど、展示をするとなったとき、その6人それぞれとのやりとりをバリエーションみたいに見せてもしょうがない。
こんなやりとりと、こんなやりとりがありました、ではしょうがない。
そんな、定点観測みたいなことではなくて
仮に、定点観測だとしても、私の立つ地面も常に揺れている。
①と②を本当は順番なく頭の中に漂わせながら、家の鍵を閉めるとき、
やりとりしてる6人を、散開星団のすばる(プレアデス)(六連星)に例えたらどうだろう!
ということが頭の中に光った。
ふつう、星座を構成する星は、地球から見た夜空の平面上では結ばれて関連を持っているけど、そのそれぞれの星の地球からの距離は異なっている。一光年先のものもあれば、十光年先のものもある。
一方、散開星団のプレアデスは、星団で構成される星座のため、それを構成する6つの星の地球からの距離はすべて同じである。たしか。
(10年前くらいのWikipedia調べの記憶)
時代、世代としては6人は私から見たらほぼ同じ距離にいて(時間と距離を光年という等価概念で捉えた考え方で言う距離だから、住んでる場所はそれぞれだけど)
そこに向かって手紙を投げかけ続けている。
宇宙は空気がないから音がない?
音は届かなくても光は一方的にも届く
ってか光は一方向に進み続ける性質を持つ
手紙と空の平面
結局二次元平面でしか会えない、それを足りない方向じゃなく考える
なんで6人か、理由のないそれが必然になる可能性
本当にそうするかわかんないけど。
ただ、
その考えが光った、そのあと、
1月頃から物理的に身体が具合悪すぎてもう自分が自分じゃなくなってて、1番やばい時は生きていない方がいいくらいの感じで(冷凍されたかった)、それがこの1週間とかでずいぶんマシになってきて、ついに自分の体に自分の脳みそが帰ってきた片鱗を感じてすごい嬉しかった。
世界の形を思い出してきている。
でも、身体の具合が違っても、その身体にだんだん慣れてきて、またそれがふつうになっていったら、その時はそれが私の世界の形にはなっていくんだろうとも思う。
こわいことだけど、当たり前の、起こらなくはないことだ。むしろ、気づかない程度には起き続けていることだとも言える。
耳が聞こえなくなってもその時はそれがまた私の世界の形になっていくんだろうか?
目は昔より見えなくなってきてる。
バスに乗ろうとしたらSuica残額が10円で、財布の中身も10円と5円と1円しかなくて、「出直します」とか言って一回セブンイレブン行ってお金おろして、ちょっと自分に疲れた。やっぱダメかもと思いそう。そういう、自分によって自分に生じる、行動する上でのストッパーみたいなものに既につねに「たすけて〜」と思ってるんだけど、そこにさらに戦争とか起こされるともう、手と足を打ち付けられたみたいな気持ちになるからやめてほしい。
2022年3月13日の日記から
送った手紙に書いた内容の中に自分が既に書いて送っていたことを忘れていたことと記憶が絡まって、返事の返事にまたそのままリアクションして返事しちゃった部分を頭の中に発見しちゃって、ワーごめん!と思った。
でも思っても今それは通じない。
2022年3月21日の日記から
token art centerから展示(Ψの庭/Φの夢)会場まで歩く一本道の遠くに、ウクライナの国旗と同じ色の服の大木さんの姿が見えた。年明けてから初めて会う。
服の色について
「無意識」
と言っていた。上着を脱いでもウクライナカラーだった。
初めて会うMさんを紹介してもらって、
Mさんが私の作品を面白がってくれたことを大木さんが面白がっていた。
「へー?♪ あそおー。このひとのよかったんだ。意外っていうか、こことここがっていうのが、意外なっていうか、へー?」
そのあと扉の脇に座って色々話していて、
またMさんが戻ってきて、
大木さんが「僕のブログよんだ?」と私に聞いて
「読みました」
「あれ結構生々しいっていうかリアルな、だいぶ、キテて」
「うん、経験したみたいになっちゃった、あれですよね、おばさんが来てこんなところに座ってちゃいけない、ここで人が焼け死んだんだっていうのが」
「そう
それでそれがシゴっていうとこに…」
っていう話はどうやら新しい映像のMさんも絡んでつくっていこうとしてる連作?の話でなんの話か大体わかんなかったけど久しぶりに大木さんが喋りまくってる隣にいるのが、そのリズム感みたいなものを浴びるのがただ嬉しかったから、横顔見て聞いていた。のとちょうど時間になったので血糖値測ったけど大木さんはめちゃめちゃ喋りまくるのが止まらないままで、一切その一連の私の動作に触れられなくて、有難かった。
Mさんと私をさらに紹介し直してしてくれるような感じになりつつ、
「私はなんていうか最近開き直ってきてる」って言ったら、
「そんなのこのひとずっと前からそう、食えないやつなの」
「そんな!素直な人間です」と、食えないやつなんて言われたの生まれて初めてでなんか嬉しい?のと、今までの大木さんと私の何がそう言わせる?!のとで混乱しながら慌てて否定した。
VRのことについて話していて、
「会うと多面的になる、こことここも、会うと、あっ!あ〜!とか言ってそういうことが起きて、お互いなんか、やっぱわかるじゃない。」
って内容の話を聞きながら
とどくのこと、脳裏に浮かんでた。
手紙の二次元。会う多面体。
【文・画像提供:齋藤春佳】